~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H22.01.08記》
                                  《H22.01.15追記》 
■ 平成22年度設計製図試験対策−2


◆試験元の評価基準を探ろう。 【標準解答例から読み解こう】 合格者発表と同日に標準解答例が発表されました。発表に際しては、下記の文が添えられています。 標準解答例の公表について 標準解答例は、試験の透明性を高めるとともに、建築士を志す者に対して、習得すべき知識及び技能 (一級建築士として必要な「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。)の 目安を示す資料として、当センターに設置された試験委員会で作成されたものです。この標準解答例 は、当センター本部・支部及び都道府県建築士会の事務所に掲示するとともに、インターネット上の 当センターのホームページ(URL http://www.jaeic.jp/)にも掲載します。 なお、標準解答例は、合格水準の標準的な解答例を示すことを意図したものです。 既にご覧になっていると思いますが、皆さんは標準解答例を見て試験元の採点基準が分かりましたか。 標準解答例だけを並べられても、どう解釈すればいいのか戸惑ってしまいますよね。 確かに、H15年度の発表からは標準解答例を公表するようになり、試験の透明性を高めようとする努 力は感じます。 しかし、今回の2つの標準解答例は出来の差が大きすぎると感じます。今年も何を持って標準的と言っ ているのか、さっぱり分かりません。新制度での発表だったので少し期待して待ったのですが、期待は ずれの残念な発表です。 <標準解答例の共通項> 参照 標準解答例−1    標準解答例−2  (標準解答例は、H22年7月下旬には消去されます。) 両解答例をザーと観ると、次のことを感じました。 1.アプローチ 人のメイン → 北道路         車いす用P → 西道路         ビル用 P → 西道路         サービスP → 西道路(第1解答例)                 南道路(第2解答例)   ※人のアプローチは当然ながら北からでしょう。これは外せないですね。    次ぎに車いす用駐車場は西道路からアプローチです。受験者の中には北道路からアプローチした    人も多くいました。何故なら、メインエントランスの近くに設ける意識が強かったからでしょう。    H18年度試験までは、車いす用駐車場から手出入口までの距離が短くなるようにと、条件が付    けられていたからでしょう。しかし、近年の課題ではそれらの条件は付いていません。今後、条    件が無ければ、わざわざ歩道を切り開いて駐車場を設けることが良いか考える必要が有ります。    次ぎに感じたことは、極力南道路からアプローチせずに西道路を使っていることです。これは、    課題で留意点として周辺環境特に住宅に対する配慮と見られます。    2.周辺環境屁の配慮         南側住宅地や東側集合住宅への配慮 → 離隔距離等   ※周辺環境への配慮は、計画に当たっての留意事項や計画の要点で要求されていたので、一応気に    とめて計画したと思います。しかし、配慮の中身や程度が分からずに悩んだのではないですか。    受験者の皆さんは、主に事務室から視線を気にしていたようですね。しかし、解答例では南に対    しても東面に対しても開口を大きく取っています。これは開口が必ずしも透明ガラスを使用して    いるとは限らないので、問題にはならないのでしょう。でも、東側の住民にとっては、心理的に    驚異ですよね。南の住宅はたとえ透明ガラスでも、背にしているので余り問題にはならないので    しょう。    では、何に配慮しているかと言えば、解答例1,−2を見ると、南道路からの離隔距離を取るこ    とで配慮したと言っているようです。それと、1.で述べた駐車場かな? 3.事務所の収益性        基準階有効率70%以上   ※受験者の皆さんは基準階有効率70%以上の要求に??と思ったのではないですか。更に「収益    性の高いものを目指す。」となっています。有効率70%は決して高い数字でないと言うことは    皆さん知っているし、「高いものを目指す」とどう取りなすか迷ったのではないですか。    解答例−1は73.5%ですが、解答例−1では78.5%と高いですね。基本的に、試験元が    70%以上を要求で有れば、70%でOKなのでしょう。では、78.5%と収益性の源である    有効率を上げても無駄だったのかと言うと、どうもそうでもない気がします。と言うのは、後で    双方の解答例を細かく解説しますが、78.5%は+点が貰えているような気がするのです。    この辺のところを試験もとは明らかにして欲しいですよね。 4.バリアフリー        段差処理 → 水勾配        階段巾  → 3m   ※これまでの標準解答例の段差処理は、たとえ10cmの段差でもスロープを設置してきた。    今回は両解答例とも、敷地との段差を水勾配で処理してきている。アプローチ部分で10cmの    段差を設けること事態が不自然だったので、より現実に近い処理になったと思う。    ただ、段差が生じたときはスロープを設けるという原則は、忘れてはならない事だ。    バリアフリーは、これまでもハートビル法から始まり、バリアフリー法に適するように階段が要    求されてきました。今回の事務所ビルもバリアフリー法の対象である特定建築物に該当する上に    課題文でもバリアフリーに配慮すると要求しました。なのに何故、2例とも階段巾が 1.4m未    満の階段にしたのでしょうか。有効 1.4m確保するには 3.5mの階段巾は欲しいところです。    受講生はこのわずか 0.5mの為限られた時間内で苦闘するのです。    試験元は、模範解答ではないと逃げるのかもしれませんが、それならそうと見解を明らかにする    べきです。       5.作図    平面図        所 要 室 → 全ての所要室を漏れなく計画        要求事項記入→ 椅子、机、テーブル等要求されたものは全て記入        補足説明  → 今回は要求されていないため必要最小限の記述            断面図        階高設定  → 1階階高は基準階より高い設定                解答例−1:基準階は、4.0m、天井高2.6m、OAフロアー有り                解答例−2:基準階は、3.5m、天井高2.5m、OAフロアー無し        空調方式  → 解答例−1:各階空調機ダクト方式                解答例−2:各室天井カセット方式        排煙方式  → 解答例−1:排煙窓設置                解答例−2:機械排煙ダクト設置                構 造   → 解答例−1:SRC造 伏図との整合性OK                解答例−2:RC造  伏図との整合性OK    梁伏図        表記方法  → 解答例−1:点線表記                解答例−2:実線表記   ※まず、標準解答例は2例とも要求事項はしっかりと書いてありますね。しかし、余分な事は書い    てないすっきりした図面になっています。作図そのものはCAD図で参考になりませんが、描き    上がりの程度は、後日取り上げる実際の合格図面で検証しましょう。    H18年から始まった補足説明の書き込みは、今回要求していなかったので図面がすっきりして    います。これが本来の図面ですね。線と寸法で表現するのが図面です。                  <標準解答例の講評> 解答例−1 解答例−1は非常にオーソドックスな回答になっています。  アプローチは北側とし、ショールームを交差点の近くに配して東側に喫茶室は、周辺状況からみて素  直な回答と思います。  ショールームを道路側に出っ張らせてショールームの存在をアピールしながら、テーパーを取ること  で、ビルのエントランスへ導きやすくするなど細かな配慮も見られます。  車は西からのアプローチで1箇所にまとめてます。これは、南や東側住居に対する配慮でしょう。  しかし、すべての駐車場を1ヶ所で処理するのは、少し窮屈に感じますけどね。  更に、南道路から5m離して空地を設けています。これも南側住居に対する圧迫感を解消する配慮と  見られます。更に歩道付きでない南、西道路に、歩道の代わりになるスペースを確保するなど周辺に  配慮し、建築主の意図に沿った優れた回答と感じます。  基準階は片側コアのオーソドックスなプランで素直な感じがします。偶数のスパンにすることで、A  事務室とB事務室を対称に配置して、事務室はSRC造にすることで長大スパンの無柱空間としてい  ます。課題に有った耐震壁は、コア廻りを中心にY宝庫のみの設置にしています。本来、片側コアの  プランは、XY両方とも設けることは無理があります。あえてX方向に設け無かったことは正しいで  しょう。ただ、これは試験元だからなせることで、、受験者にとって片方を設けないと言うことは、  勇気のいる決断ですね。これも今後参考になるところです。  設備面は、各階に空調機械室を配した階別ダクト方式を採用したようです。そのために、天井の懐は  十分確保されています。屋外機は機械室に接したバルコニーに設置するようにしていますが、設備面  と言うより南住居への配慮の面から、騒音が少し気になるところです。  PS、EPS、DS等も忘れずに計画されています。DSは新鮮空気を屋上から採ったものでしょう。  ※全体に建築主の要求に沿った、欠点の少ない良いプランと思います。ここまで時間内にまとめれば   申し分ないですね。標準と言うよりレベルの高い解答例では無いでしょうか。 ・項目評価  《H22.01.14追記》  A.土地利用・周辺環境の考慮 【0】    アプローチ    :(0)       →不具合項目1ヶ所に付−1    周辺への配慮   :(0)       →配慮1ヶ所(0)、2ヶ所(+1)、3ヶ所(+2)  B.課題で求められている事項 【-1】   1.建物の要求機能 :有効LBU(+1)  →70〜73%=LBT(0)、73〜77%=LBU(+1)、77%≦LBV(+2)   2.構造計画    :(0)       →不具合項目1ヶ所に付−1   3.設備計画    :DS(-1)     →不具合項目1ヶ所に付−1   4.環境負荷低減対策:対策不足(-1)  →2対策=(0)、3対策=(+1)    C.建物計画         【-1】   1.所要室     :ショールーム天井高(0) →3m>(-1)、3m=(0)、3m<(+1)             :その他必要室;メールコーナー(-1) →不備項目1ヶ所に付−1   2.ゾーニング   :(0)       →不具合項目1ヶ所に付−1     3.動線      :(0)       →不具合項目1ヶ所に付−1        D.安全・避難・法規等    【0】   1.避難・安全   :(0)       →不具合項目1ヶ所に付−1   2.法 規     :(0)       →不具合項目1ヶ所に付−1  E.作図・その他       【0】   1.作図力     :CAD作図(0)  →レベル3段階評価(-1,0,+1)   2.作図量     :(0)       →必要項目不備1ヶ所付−1  ★【-2】>-10  ○  (試験元評価=標準) 解答例−2 解答例−1を見た後で解答例−2を見ると、唖然とします。  非常に不自然な計画に感じ、突っ込み所満載な感じです。  2例を発表するために、あえて最低レベルとして作成したのでしょうか?    第1の特徴は、センターコア形式にしたことです。事務所ビルの形態としては有り得ることですが、  この規模では、やや無理があるかな?って感じですね。使いづらい便所、奥行きの少ない事務室など  が気になりますが、広く窓に面した事務室は評価できる所ですね。また、西側に公園が広がるロケー  ションを考えれば、A、Bの両ゾーンを均等に西に面すると言う意図は理解できるところですね。  建物としても一応成り立っている。模範でなければ、これも有りかなぁ。  しかし、何か違和感を感じる。全面ガラス張りの建物が、南、東の住宅に配慮という要求に馴染むの  かな?ってことです。どこかで用意した建物を、この敷地に押し込んだって感じがするのです。  オープンスペースの配置も南側に配置している。単なる南住宅地との緩衝帯としてのオープンスペー  スなどは、普通発想しませんよ。  ・・・何故このプランを発表したか良く良く考えてみると、まずこのプラン有り、この計画に基づい  て課題文が作成されたと仮定すると、何となく辻つまが合ってくるように思えます。  1.AゾーンとBゾーンと言う表現・・・あえてゾーンと言う表現をしています。    これは解答例−1よりも、まさに解答例−2の形態がの方がぴったりとする。  2.課題の要求で盛んに南、東の住宅への配慮を言っている。そのために南道路から建物を離す事を    期待した。その誘導のためにオープンスペースを用意した。従来記述されていたオープンスペー    スの性格付けが、単に開放されたとしか記述されていなかった。  3.コア形式プランは、事前に広報していた耐力壁計画にXY両方向とも均等に取りやすいプラン。    ちょっと探偵コナン気分で推理してみましたが、余り深く考えても何だかなぁ?  推理はさておき、気になったことが他にもあります。  1.RC造でそれは問題でないのですが、短辺も長辺も梁の大きさが同じなこと。符号を変えてある    ので鉄筋量で剛性を区別したのでしょうが、排煙ダクトのことを考えると小さくするべき。  2.東側階段に接するDSは、1つは排煙用と書いてあるので分かるが、もういつは何用なのか?    1階平面で地下駐車場と結ばれるDSが有るが、何だろうか?    空調用PSが見あたらない。    3.断面図:事務室と廊下間の間仕切り壁。たとえ扉の位置切断でも垂れ壁は必要。  4.伏せ図の表示が実線表記。表記の仕方は「E&A」でも問題にしてきた。何故なら手法がハッキ    リと定まっていないからだ。一般的には点線が正統で、実線も広く描かれている。時間との勝負    の試験で、点線表記と実線表記には明らかに差が出てくる。今更実線でもOKなんて言われても    困ってしまう。実線表記はOKなのか、減点なのか今後の試験のためにも表明するべきだ。 ・項目評価  《H22.01.14追記》  A.土地利用・周辺環境の考慮 【-2】    アプローチ    :駐車場からのアプローチ(-1)、オープンスペース(-1)    周辺への配慮   :(0)  B.課題で求められている事項 【-2】   1.建物の要求機能 :有効率レベルV(+2)、セキュリティ(-1)、フレキシビリティ(-1)   2.構造計画    :(0)   3.設備計画    :空調;PS (-1)、排煙DS(-1)   4.環境負荷低減対策:(0)    C.建物計画         【-1】   1.所要室     :ショールーム天井高(+1)、事務室形状(-1)、その他必要室(-1)   2.ゾーニング   :     3.動線      :        D.安全・避難・法規等    【0】   1.避難・安全   :(0)   2.法 規     :(0)  E.作図・その他       【0】   1.作図力     :(0)   2.作図量     :(0)  ★【-5】>-10  ○  (試験元評価=標準) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆ 分析すればするほど、闇に隠された部分が多すぎる。試験もとは受験者の声をもっと拾い、真摯に   対応して貰いたい。いつまでも、このような形での試験では済まないだろう。   次回は、受験者の回答で採点項目を探ろうと思います。近い内にお送りしますので、乞うご期待!
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