~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H22.08.16記》
■ 平成21年度設計製図試験対策−5


◆美術館を知ろう!  受験者の皆さんは、既に何らかの形で美術館を見学に行かれたことと思う。勿論美術館の全てを見る ことは出来なかったと思うが、少なくともエントランスから展示場を経由して出口までの経路は見られ たと思う。途中色々な付属施設も目にし、利用されたことと思う。皆さんが鑑賞者として立ち入ること が出来たのは美術館の建物でもほんの一部だったとしても、一応公開された部分を経験されたことは貴 重な体験だと思う。  しかし、せっかく足を運ばれても、建物の奥の方、いわゆる裏方を見ることは出来なかったのではな いだろうか。裏方のベールに包まれた部分も含めて美術館の姿を把握しないと計画は出来ない。夜中に 忍び込んで調べる訳にもいかないし、書籍コーナーで美術館の本を探すしかないかな。どんな方法でも 美術館の建築的概要は知らねばならない。  一般的に考えても利用者のゾーンと管理運営されるゾーンがあるのは、はっきりしている。管理ゾー ンの中で何が行われているかだ。そこで皆さんに代わって裏方にソーッと忍び込んでみた。   裏へ廻ると、トラックやバンの車が止まってる。今、丁度バンから何か梱包された荷物を運び出してい る最中だ。大きな庇があり、荷捌き場の雰囲気だ。大勢の人が声を掛け合って慎重に運んでいる。人混 みに混じって入っちゃえ!荷捌き室らしき所に入ると、既に運び込まれた別の荷物の梱包が解かれてい る。その直ぐ横では解かれた荷物(失礼!出品作品だ!)が小さな部屋に並べられている。20uほど の小さな部屋は何の部屋?と思っていると、白い板に「薫蒸室」と書いてある。薫蒸室?ハム、ソーセ ージでも造るのかい?・・・おっと!あれは薫製だった。でもソーセージは造らなくても何かイブすん だな。そう言えば、壁に赤ランプはあり紅い板に何か書いてあるぞ!「危険!薫蒸中は立入禁止」 あっそうか、殺虫か!そう言えば港の倉庫を設計したときに、薫蒸室ってのがあったなぁ。輸入品に虫 や菌が付いてくるので、水際で殺菌して国内に運び込むって言ってた。あれと一緒だな。そりゃそうだ。 貴重な美術品が虫や菌に汚染されたらたまったものじゃない。良いものを見せて貰った。 さらに奥に目をやると、奥に大きな扉が目に入った。あぁ、エレベーターだ。でも随分と大きいなぁ。 2.5m角位はあるぞ。港の倉庫にもおおきなエレベーターがあったが、あの時はフォークリフトが乗 込む荷物用エレベーターだったから、もっと大きかったかな?横の階段で上に上がってみよう! 上に上がると、丁度エレベーターから台車を運び出す最中だった。後を付いていくと、大きな扉を開け て中に入っていったぞ。「準備室」って書いてある。更に奥に扉あるけど何だろう?入ってみよう! あれぇ!展示場だ。まだ準備中で、飾り付けの最中みたい。そう言えば、来週から〇〇展が始まるって 書いてあったが、その準備中なんだ!そう言えば、さっき切符を買って入った展示場とは別の会場だな ぁ?邪魔になりそうだから元に戻ろう。階段を使って1階に戻った。荷捌き場ではまだ次から次に荷物 が運ばれてくる。解かれた梱包を一巻きにして運んでいる人が居る。何処に運ぶんだろう。「ゴミ庫」 の扉を開けたぞ。おぉ、結構大きいなぁ!10uくらいあるかな。そりゃそうだろう。次から次に荷物 (作品だちゅうに!)が運び込まれるのだから、梱包した残材も結構な量だ。 奥の大きな扉の横に頑丈な扉があるが、何かな?鍵が掛かって開かないぞ!「収納庫」って書いてある。 倉庫?そうでもなさそうだ。随分と頑丈な扉で、何か貴重品が入っている感じだ。 「ちょっと!そこの人!待ちなさい!」「何処から入ってきた!」「ちょっと警備室に来なさい!」と 強い口調。見ると体格の良い警備員が立ちふさがって、通せんぼをされた。 「実は〜。今度の〜。一級建築士の〜。試験で〜。」と裏方を覗いた理由を言うと、「館の人を呼ぶか ら。」と美術館の職員を呼びだした。 「今年の一級建築士の製図の試験に、美術館が出題されるとは聞いていますよ。」 「最近大勢の人が中を見せて欲しいとの要望が多いのですよ。」 「当館では、お一人お一人はとてもご案内出来ませんが、ある程度の人数が集まれば案内しているので すよ。」「黙って入られたのは、あなたぐらいです。」と絞られてしまった。       ・       ・       ・ 「案内しているなら早く言ってよ。」と心の中で思いながら、次回仲間を連れて出直す事とした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ まだ裏方を見ていない皆さんも、一度美術館にお願いしてはどうでしょう。 今日のこの文章で、美術館の裏方が想像できた人は、相当学習されていますね。 次回も出直して裏方を覗いて、いや案内して貰おうかな。
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