∞∞∞∞■『日経BP模擬試験チャレンジ奮闘記:エスキス編』∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞《H23.9.20記》


 皆さん!模試は遣りましたか?[E&A」のスタッフも模試にチャレンジしました。今回は、模試の
エスキス手順に従ってお送りします。まだの人は一度エスキスを遣ってからご覧下さい。
 繰り返し言いますが、回答例を作成するときの心構え(受験者の心構え)として、100点満点は決
してねらっていません。出来るだけ試験もとの指示があるものは素直に守ることと、時間内に終わらせ
る事を念頭に入れて進めています。だから、お粗末な案なんて言いっこなし!

    
 E&Aでは解答例とせず回答例としているのには、意味があります。
建築主(試験元)の依頼事項(課題文)に対して計画案を提示するのであって、問題を解くと言う気持
ちでは接していません。

だから、クイズ問題で有れば解答は1つでしょうが、注文なので回答は計画者の数だけあると考えます。
頼りない案だとか、まったく注文を無視しているとかでは満足して貰えないでしょうが、どれが正解と
言うことではなく、色んな計画が成立すると考えます。
エスキス図 日経BP社 模擬試験課題 エスキス奮闘記
A.課題文の要点整理(まずは、冷静になって課題文を整理しよう。)

 市街地に建つ老健施設+通所リハビリで、敷地はやや狭い。

 来館者及び従業員の駐車場・駐輪場は西側病院の駐車場を利用するので、
 病院の関連施設となる。

 T字型道路に2面接道。東メイン、北サブ。南公園で良好。

 5階建てと道路斜線は一応チェック必要。

B.<アプローチ・その他の施設計画>

アプローチ設定
 利用者アプローチは歩道付16m東側道路。サービス・管理者アプローチ
 は北側道路。病院からの車利用者のアプローチは、計画上は設けた方が
 良いだろうが、昨年の本試験でも別敷地の駐車場からのアプローチ考慮されていなかった。駐車場の位置も不明だし深く考えなくても良い。

その他の施設
 来館者利用のマイクロバスや車いす使用者用駐車場は、メインアプロー
 チ側。サービス駐車場は北側。

※ここまでのイメージ造りは順調だ。アプローチから必然的に決まる要素
 からゾーニングも見えてきた。後はボリューム的に旨く納まるかだ。
C.敷地の状況把握

 まず、敷地の規模を把握するために、敷地にメッシュスケールを当てる。
 メシュ・スケールとは、縦横の2次元を測るスケールのこと。一見グリ
 ッド・プランに見えるが、あくまでも、敷地の状態を測るスケールだ。
 7m×7mのメシュ・スケールを当てることで、敷地端部の空き寸法が
 把握出来る。この空き寸法とその他の施設から判断してグリッドを決め
 る。結果的にグリッドがメシュ・スケールの7m×7mと同じに成るこ
 ともある。

 機械的に手を動かして線を引くことで、気持ちが落ち着いてくるよ。

 道路の反対側から南西の角から2m離して7×7のメッシュを架けよう。
 何故道路の反対かというと、道路側はその他の施設が予定され、不確定
 だから。

 東西は7mグリッドが4つ。道路側開きが7mは、HPとMBの並列は
 無理。

 南北は7mグリッドが4つ。道路側開きが6mは、SP2台並列はOK。

※東側7mの開きが少し広すぎる感じがする。展開によっては東西方向は
 一応6mスパンも考えられる。
【ボリューム検討】
   7×7グリッドの場合        6×7グリッドの場合
1階  4*4=16G           5*4=20G
2階   〃 =16G            〃 =20G
   ─────────         ─────────
合計      32G               40G
   (49*32=1,568u)          (42*40=1,680u)
   
中間目標値
   3,150-1,568=1,582u         3,150-1680=1,470u

基準階面積
     1,582÷ 3= 527u          1,470÷ 3= 490u
           ↓                 ↓
      527÷49= 10G             490÷42=11G

上限G       12G                 13G




D.ボリューム検討

 メシュ・スケールから、東西方向のスパンは7mと6mが考えられる。

 敷地からその他の施設部分を除いた部分が、1階の建設可能グリッド。

 全体面積を中間値 3,150uを目標にチェックする。
 7mスパン:1階、2階は16Gで計32G。基準階は10Gとなる。
 6mスパン:1階、2階は20Gで計40G。基準階は11Gとなる。

 2案とも、10G(490u)や11G(462u)ではロングステイ部門は納
 まりそうにない。(これまでの学習から)

 面積を拡げられないか検討する。目標を中間値から最大値にして、G数を
 算出する。7m:12G  6m:13G

 整形を心掛けると12Gとなり、2案とも縦4スパン、横3スパンとなる。


内部プランを計画する前に、面積で大まかな構想を練る。
 模試課題では、中間値目標より大き目の上限に近い面積になりそう。


E.基準階を検討

 基準階のある課題は、基準階から攻めるのが鉄則。

 基準階だけ2案を内部を検討し、比較する。

 課題から共同生活スペース(40u)は公園側の配置なので、療養室は道路
 に面した東側、北側で検討。

 6m×7mグリッド案は共用部が狭く、階段2つ、ナースステーション、
 その他とても納まりそうにない。素直に7m×7mグリッドで進めた方
 が苦労しなくて進みそう。

 基準階の向きは、タテ長の他にヨコ長も考えられる。事前にどちらが良
 いか検討する。
F.所要室の面積整理・位置確認

通所リハビリ部門
・食   堂(1):4*15=60u以上 
・調 理 室(1):{食堂(1)+(2)}×1/3=36u以上
・機能訓練室(1):食堂(1)×1.5=90u以上
・浴   室(1):約50u

ショートステイ部門
・4 人 室  :8×4=32u以上   ⇔便所隣接
・食   堂(2):3×16=48u以上
・機能訓練室(2):(16+10*3)*1=46u以上 南向き
・浴   室(2):約 50u    ⇔汚物処理室隣接
・サービス・ステーション:約35〜50u(適当)⇔EV監視
・医 務 室  :約25〜30u(適当) 2階設置
・汚物処理室  :約25u(適当)   DW設置

ロングステイ部門
・療 養 室  :3m×5m以上 10室
・共同生活室  :4×10=40u以上     南向き
・サービスステーション :約35〜50u(適当)⇔EV監視
・浴 室 C  :約5u 2室(適当)
・汚物処理室  :約25u(適当)   DW設置

共用管理部門
・エントランスホール  :約100u(適当)
・相 談 室  :約 10u(適当)⇔エントランス近傍  
・会 議 室  :15〜25u(適当)
・事 務 室  :4×8〜12=32〜48u(適当)
・施 設 長 室  :15〜20u(適当)⇔事務室近傍
・汚物処理室  :25〜40u(適当) DW設置
・宿 直 室  :約 10u(適当)

 エスキスを進めるために、まず機能図を書けと指導するところもある。
 勿論必要なことではあるが、課題に応じた機能図でないと意味がない。
 それには、面積の把握と課題が要求する位置関係を整理する事から始
 まる。

 所要室に面積が与えられていたら、当然守ること。記述が無ければ適当
 に処理する。適当とは、平均値と言う意味と方式の違いで差があり、判
 定のしようが無いものが有る。その時は都合の良いように収めれば良い。





G.機能図

 機能図を書くに当たりグリッドは表示していた方が後の展開は速い。ま
 ず、位置が明解な室や大きな室、重要な室から優先して位置取りをする。

 機能図は全室を書き込むのでなく、位置取りや関連がハッキリしている
 ものだけでも良い。ここで時間を割かない。

 部門は1つのエリアとして意識しながら進める。

 共用部はどの部門とも関係する部門で、車のミッションのニュートラル
 の役目を果たす。いわゆる橋渡しの役目なので、共用部で1つの部門が
 分断されても、それはまとまりを欠くものでは無い。

 基準階はボリューム検討の段階で検討しているので、より詳細を詰め、
 エスキスへ進んでいく。

F.各階エスキス

<1階>

 エスキスの段階で食堂と浴室の位置を入れ替えた。何故なら、公園側に
 適した施設を考えた時、浴室より食堂の方がベターだから。

 駐車場の位置を北へ移動させた。理由は、下足箱が有る風除室は、通常
 の風除室よりも広くいり、エントランスホールが整形にならなかった為。

 食堂に余裕を持たせたら、機能訓練室は食堂の 1.5倍だから、予定より
 大きくなった。

 便所は、利用者に配慮し、小規模のものを各所に配置した。

 設備室は、事前に検討したように給水は水道管直結増圧方式で考えれば、
 給湯ボイラーとコージェネ、ポンプ等で35u程度とした。他の設備は
 屋上配置にすれば良い。


<2階>

 EVは車いす利用が原則だから、2方向出入りのEVにして同じ姿勢で
 出入りが出来るようにした。

 EVを2方向出入り型にしたため、中央サービスステーションではEV
 の監視が出来ず、サービスステーションの位置をEV管理が出来やすい
 正面の位置にした。

 食堂は1階の調理室の関係から公園側に移動。このことが、ロングステ
 イも利用する機能訓練室が、ショートステイに割り込む形になった。
 ゾーニング的には欠陥だろうが、時間内に解決がつかなかった。

 廊下は回遊型の廊下とし、2方向避難を容易にした。基本的に片廊下と
 見なされ、柱芯・壁芯で 2.5mでOK。


<基準階>

 EVと階段をコアとし中央に配置し、廊下を2階と同様に回遊式として
 2方向避難を確実にした。療養室前の廊下幅は、療養室の奥行きが5m
 必要なので壁芯で2mとし、柱型は廊下側に出っ張らないように偏芯が
 必要。各階とも作図の段階で注意が要る。

 療養室の前にはバルコニーを設け、北西の隅の螺旋形避難滑り台に連絡
 させた。
 ■避難滑り台参考図:http://www.fujisangyou.co.jp/download/2f3f.html


 これまでに参考にした老健施設のサービスステーションは、中央に配置
 されてサービス動線が短くなるようになっていたが、規模から言って、
 これでも良いか。

 採光の件は、受験指導校で全ての居室には採光を取るようにと指導して
 いるようだけども、療養室や4人室、共同生活スペース、食堂などの
 利用者の行動の場は計画上必要だろうが、それ以外の管理部門やサー
 ビスステーションは無理して取る必要はない。

 5階タテとなると、一応道路斜線は気にするように。

理想を言い出したら切りがない。指示が有った室の計画漏れ、面積の過
 不足、指定位置のチェックをして、減点を食らわないようにしよう。

 ■参考平面図:下記のURLも45頁以降を参照
 http://www.city.ikoma.lg.jp/kashitsu/04100/06/documents/0103.pdf



                          


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◆今日はここまでとします。

 日経BP者の模擬試験の課題を元に、エスキスの進め方を順を追ってお送りしました。
回答例はほんの一例です。同じやり方でも、ちょっとした判断の違いで別の案が生まれます。
要求されてもされていないのに、変にこだわったりして時間を浪費することは無いですよ。
何を要求されているかを絶えず自問自答しながら進めましょう。
 
 
◆時々更新します。今後も続くよ!乞うご期待!

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