~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H23.08.05記》
■ 平成23年度設計製図試験対策−2


 設計製図対策としては、課題の施設を知ることが第1だ。そのために実際の施設を見学するのも1つ だが、いきなり見学するよりも、事前に学習して臨もう。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず。」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆高齢者対策施設  我が国日本は、既に高齢化社会に突入して、今後益々高齢化対策の重要性は高くなってきます。国も これまでに高齢化対策で追加的に色んな仕組みを作ってきました。また、縦割り行政のために、高齢化 対策の施設は多岐に渡り、世間ではそれらの違いが混同されたり今一理解されていないようです。 そこで、まず高齢者施設を揚げその違いを学び、課題の介護老人保健施設の役割をしっかり頭に入れよ うと思う。 ◆介護老人保健施設  高齢者と言っても、中には元気で経済的にも裕福な老人も多いが、人は高齢化してくると身体的にも、 経済的にも弱者の立場になりやすい。そこで、身体的な衰えを医療の立場から援助する施設や、経済的 な面から生活を支援する目的で設けられた施設などがある。  ところが、高齢者の増加に伴い医療費の負担が医療保険ではまかなえない程に増大したために、医療 保険に代わる新たな財源が必要になった。そこで新たな財源の裏付けとなる介護保険法が制定された。 介護老人保健施設は、このようにして創設された介護保険法の介護保険3施設の中の一つで、医療支援 と生活支援の中間的性格の施設である。 では、介護保険法に基づく介護保険3施設を具体的にその違いを比べてみよう。 介護保険法では様々なサービスに対して保険金が給付される。大きく分類すると、居宅サービス施設 サービスに分けられる。 居宅サービス─┬─訪問サービス・・・・・訪問介護、訪問看護、訪問リハビリ等        │           (ヘルパー派遣)        │        ├─通所サービス・・・・・通所介護、通所リハビリ        │           (デイサービスやデイケアに通ってサービスを受ける。)        │        └─短期入所サービス・・・短期入所生活介護、短期入所療養介護                    (短期入所施設に一時的に入所する。) 施設サービス─┬─介護老人福祉施設・・・老人福祉法による特別養護老人ホーム        │           (介護を必要とする老人の生活の場)        │        ├─介護老人保健施設・・・在宅復帰のためにリハビリが必要な人が入所する施設        │           (デイケアは入所者以外に通所者も利用。リハビリ施設)        │        └─介護療養型医療施設・・介護と医療の両方を必要とする長期療養のための施設                    (一般病院と併設も有るが老人専用病床と思えば良い。) ※注意したいことは、老人を対象とした施設は他に色々あるが混同しないこと。  デイケアと似た施設にデイサービスが有る。デイケアはリハビリを指導・介助するのに対して、デイ サービスは病気ではないが老人の生活補助・介助的な福祉サービス。食事や入浴だとかレクレーション 等介護を要する老人の生活をサポートする。しかし、デイケアでもリハビリを必要とする老人が対象だ から、入所中の生活はサポートしなければならない。施設的にはほとんど区別が付きにくくなっている。 強いて言えば、スタッフの資格だろう。 ※課題を整理してみよう。  今年の課題「介護老人施設(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設で有る)」は、在宅 復帰ができるようにリハビリを通して機能回復を目指した施設。原則入所なので宿泊施設が必要だから、 地上5階建ての基準階部分は、この宿泊施設に当たるのだろう。  通所リハビリのあると補足があるが、これはリハビリ施設は入所者だけだなく通所者も利用しますよ と意味している。 今後、設計製図対策としては、1階、2階は通所も利用するリハビリ施設や、共用設備室。3階以上は 入所者が利用する宿泊施設。を想定して、外来と入所者、スタッフ、管理者、物流動線の検討やゾーニ ングの検討が要求される。 インターネットでも介護老人保健施設で検索すれば、数多くの実際の施設が検索され、それらの施設は 略図ながら施設の平面図が掲載されているので参考にされたし。また、皆さんの近くの施設に足を運び、 施設を空間として体験されることをお奨めする。  介護老人保険施設は経験したことがないと不安がっている受験者の皆さん、経験した人は希であって、 ほとんどの人は初めて学習する人ばかりだ。今年の課題は経験していなくても、廻りに数多くのサンプ ルがあるので、概要を把握するのは難しくないと思う。施設計画で大事なことは、動線とゾーニングに 限る。色んな実例を参考にして下さい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆今日は、各種老人施設の中での介護老人保健施設の立場を詳しく伝えようと思いましたが、老人施設 は法律も複雑で、詳しく述べれば述べるほど皆さんがこんがらがると思い、この程度の解説にしました。 それにしても、政治家や行政官僚は糸が絡み合ったような仕組みや法律しか作れないのかとガッカリだ。 特に厚生労働省関係はお粗末。 ぼやいていても始まらない。次回は具体的な必要諸室を検討しましょう。
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