~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H24.01.17記》
 今日から平成24年度建築士設計製図試験のサポートを開始します。
本サイトは、設計製図試験のみのサポートで、学科試験は扱っていません。それは、学科はこれまでに
建築教育を受けた人ならば、これまで学習してきたことを復習すれば合格可能と考えるからです。それ
に引き替え、設計製図試験は学校で教わった事とちょっと勝手が違います。ちょっとどころか大いに違
うと言っても良いでしょう。設計製図はこれまでの学校教育だけでは合格は難しいと思い、サポートす
ることにしました。
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■試験対策−1

 この段階から設計製図試験を扱っているこのサイトを訪れた方々は、これから学科試験から始めよう
とする方でなく、昨年残念ながら涙を飲まれた方々ではないでしょうか。こちらも勝手にそう決めつけ
て今後話を進めます。
 昨年の設計製図は講評や感想は、平成23年度版で述べましたので参考にして下さい。今回は、昨年
の貴方自身の結果を振り蹴って貰うところから始めようと思います。

【敗因は何?】

 皆さんのランクはUVWのどれに当たりましたか。試験元から送られてきたランク付けよりも、敗因
を認識することが重要です。敗因には色々あると思います。

1.エスキスがまとまらずに、時間内に要求図面が全て完成しなかった。
  イ.これまでもエスキスがまとまらず、時間内に終わったことがなかった。
  ロ.冷静に対応できなく、時間ばかりが過ぎ去った。
  ハ.納得のいくエスキスを求める内に時間が過ぎてしまった。

2.エスキスはまとまったが、作図に手こずって完了しなかった。
  イ.元々、作図のスピードが遅く作図に時間がかかる。
  ロ.完成した図面は充実しているが、伏せ図まで手が回らなかった。
  ハ.作図ボリュームが多く、事前に予定していた時間内に終わらなかった。
  ニ.各図面を満遍なく手を着けたが、書き込み要求事項が書けていない。実質未完状態。

3.作図し、作図密度も高かったが、自分で採点しても計画上の欠点が多くあった。
  イ.プランがすっきりまとまってなく、空間構成に問題が多くあった。
  ロ.意匠・建築計画、構造計画、設備計画に多くの問題点があった。
  ハ.出題者の要求を計画に反映できなかった。
  ニ.設計条件・要求図面等に対する重大な不適合があった。
  
4.完成し、作図密度も高かったが、計画の要点の出来が良くなかった。
  イ.記述が不十分で、行数も少ない。
  ロ.慌てて書いたために自分でも読めない字になってしまった。
  
5.何故落ちたか分からない。
  イ.書き上げて、要求事項は全て守った。計画の要点も指導校で貰った例を参考に書き上げた。
  ロ.標準解答例よりも増しな計画だ。不合格は納得ができない。

 皆さんは1〜5のどれに当たりますか。敗因が解れば、その解決に向かって進むだけですが、敗因が
解らないとなると困った問題ですね。でも、H23の試験はランクUが非常に多く、ランクTと合わせ
ると70%を超えてます。それだけにランクTとUのふるい分けは難しかったのでしょう。合否は紙一
重共言えます。絶対試験と良いながら、現実は相対試験であることはハッキリしています。上位40%
にはいることを目標に頑張りましょう。

1.設計条件・要求図面等に対する重大な不適合はなくす。(最低条件)
2.建築基準法の集団規定は守る。
  標準解答例が発表の後に修正発表がなされました。内容は、道路境界線を超えていたバルコニーの
  奥行きを超えないように狭くしたものです。
  解答例の修正発表は解答例を発表するようになってから始めての出来事でした。
  試験元は、「標準解答例は、合格水準の標準的な解答例を示すことを意図したものです。」と断り
  を入れて発表しています。それは、標準解答例は減点もある図面だが、この程度が合格の基準だよ
  と示したものです。しかし、あえて修正図面を再提示したことは、道路境界を越境しての計画は減
  点では済まされない重大な違反だからこそ、あえて修正図を再掲示したのでしょう。

試験だから採点基準は必ずあります。満点が理想ですが、時間内に完成させるためには妥協も必要です。
細かい採点基準を気にするあまりに受け身で計画することは避けなければならないが、少なくとも致命
傷になるような事は避けましょう。致命傷・・・それが上記の1.2.です。

【敗因に応じた対策】
 
1.標準時間内に完成させる作図力を身につける。
  ・・・昨年、受験者に過度の負担を強いていると「E&A」では文句を言いましたが、でも受験者
     のほぼ90%は曲がりなりも完成し、ランクT〜Vの評価を受けています。始めての受験で
     勝手が分からずに、わずか数枚の予行演習で望んだのでは完成は難しいでしょう。鉛筆書き
     の作図はある程度の慣れが必要です。どんな課題でも課題に応じて時間内に書く力量を身に
     つけましょう。
     
     ・1/200の図面であることを認識した表現。
     ・フリーハンドも許された図面。
     ※採点者からしたら、図面は綺麗に書けたらそれに越した事はないが、印象を良くしようと
      必要以上に細かく書いて時間を割くことはない。最低限は、壁と建具の区別が付けばいい。

2.計画の要点は、自分自身の言葉で書く。
  ・・・試験元は、標準解答例を発表するときに、標準的な計画の要点は掲載しませんでした。その
     理由は以下のとおりでした。
     「計画の要点等については、公表することにより、解答パターンが定型化するなど、適正な
     試験実施に影響を及ぼすことが想定されることから、概要に留めています。」

      計画の要点が始めて導入された時、受講生は何を書いて良いのか解らないでいました。そ
     こで、指導校が計画の要点の解答例を提示したら、受講者はマニュアルのように丸暗記して
     試験にのぞみました。自分の計画と関係無しに書き写し、同じ文面の計画の要点が多数出現
     したのです。
     
      試験元は、暗記したものを写させるために制度改革をしたのではありません。マニュアル
     化された計画の要点は、本来の主旨から大きく外れています。、そもそも計画の要点は、自
     分で立てた計画の補足説明だから、自分の言葉で表現しなければダメです。文章を書き慣れ
     るには一朝一夕では身に付きません。課題に関係なく今の内から始めましょう。

     構造、設備計画は、技術的裏付けが無いと計画が立てられません。文章力と同時に技術的知
     識も必要になってくるので、構造、設備に関しては学科で学習したことを再度思い出すこと
     も必要になってきます。

3.エスキス力をアップする。
  ・・・要求事項を具体的な形に変える技能がエスキス力で、建築士の必須条件と言えます。
     受験者の中には、学科は満点に近くてもエスキスを旨くまとめられずに落ち続ける人もいま
     す。学科は努力しただけ身に付くが、設計製図はそうならないところが設計製図の難しさで
     しょう。

     エスキス力のアップは、一言では言い表しができません。次回から順を追って進めたいと思
     います。

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◆第一回目は、上位40%に入るためには、まず上位70%に入るための必須条件をのべました。次回
 からは、40%に入るための具体的学習法をお送りします。
◆新試験制度になってから昨年で3回の試験を経験しました。このわずか3回の試験の間でも、色々と
 変わってきたように感じます。受験指導校も色々と分析をして対策を練っているようですが、少し深
 読みをする感じもします。そのために、受構者に無駄な過度の負担を強いているように感じます。無
 駄な負担でも作図力のアップには貢献しているようですが、エスキス力のアップには結びついていな
 いようです。

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