~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H22.01.07記》

■ 平成22年度設計製図試験対策−1


平成21年度一級建築士試験に合格された方々は、おめでとう御座います。残念ながら、努力の甲斐 なく不合格になった方々は、既に気持ちを切り替えて今年の受験に向けて決意も新たにされている事 と思います。 「E&A」では、設計製図に関して支援ページを設けて受験者の皆様を支援しています。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆平成21年は、新試験制度初年度と言うこともあり、受験対策には皆さん苦労されたのではないでし ょうか。 試験に先立って、試験元から「一級建築士試験の試験内容見直しについて」や「1級建築士設計製図試 験内容の見直しの具体的対応について」を発表しました。 (詳しくはTOPに戻って「平成21年度 設計製図試験対策−5」を参照して下さい。) 文章でまとめられたものだけに、実際にどのような形で出されるか体験するまで不安な事だったと思い ます。昨年10月に試験が実施され、更に合否の発表と同時に「採点のポイント」も発表され、試験元 が事前に言っていた「内容の見直し」が、具体的に何を意味していたかが少し分かったと思います。 平成22年の設計製図対策は、平成21年度の設計製図試験を検証することから対策の第一歩とします。 【合否の分かれ目】 昨年の試験は、それなりに皆さんは書き上げたようですね。例年なら未完で終わる方々が大勢いました が、昨年はほぼ全員書き上げることが出来たのではないでしょうか。それで、どなたもある種の手応え を感じられたのではないでしょうか。 私が見た限りでは、どれも似たようなプランで差が出にくく、試験元は採点をどのようにするのだろう と興味深く発表日を待ちました。結果は、数でこそ久しぶりに5000人台に乗せましたが、合格率は、 平成20年とほぼ同じ41.2%でした。やはり絶対評価は既にどこかに行ったみたいですね。 試験元は、一応採点ポイントを発表しました。採点ポイントを見てみましょう。 平成21年一級建築士試験「設計製図の試験」合格基準等について やはり事前に公報が有ったとおりに、(1)空間の構成、(2)意匠・建築計画、(3)構造計画、 (4)設備計画と重点項目が並びます。続く(5)その他の環境負荷低減に配慮した計画は、20年の 試験からも容易に予想された項目でした。 更に、(6)設計条件・要求図面等に対する重大な不適合が続きます。今回は(6)の項目に注目して みましょう。(6)の項目の詳細はこれまでと同じ様ですが、今回の特徴が現れています。 @〜Cは前回20年試験と同じですが、Dの所要室は、前年までは重要な所要室に限り、付属的な室は 必須とはしていませんでしたが、今回は要求室に記述されたものは全て必須である事です。 更に、課題に一言も出てこなかったエレベーターが必須なのは、7階建てである以上当然の事ですね。 Eのその他設計条件を著しく逸脱しているものに、基準階有効率と高さ制限等が上げられています。 高さ制限と言えば、課題文でわざわざ網掛けしてましたよね。 巷で話題になったように、公園があるから道路斜線は緩和されると思っていた人が多かったようです。 私が見た図面の中にも、斜線オーバー図面が出てくるは、出てくるはでビックリしました。 確かに基準法第56条や施行令第134条には公園の緩和規定があります。皆さんはこの緩和規定を拠 り所に、道路斜線は余裕があり、問題なしとしたようです。・・・・・う〜ん。 確かに緩和規定はあるけど、この場合は緩和規定を打ち消すような課題文に読めるけどもなぁ。 (もっとも筆者の回答は、道路斜線を意識しながら、魔が差したとしか思えない行動で、斜線に抵触し  てしまったが。21年チャレンジ奮闘記・自爆劇参照) まず、施行令第132条に2以上の道路が有る場合の規定がある。いわゆる2A且つ35m規定ですね。 しかし、課題文は、ただ親切に令第132条の規定を図示したもので、緩和条項を否定するものとは読 めない。その他の緩和は当然有効だと考えてもおかしくは無いようにも思える。 (正直、筆者もこの図示には迷った。ただ、安全策を取っただけのことだ。試験元が何かしでかす時は、 意図があることは認識していた方が良い。あくまでも課題文優先が原則と考えた方が良い。) この高さ制限は、非常に微妙だ!正直言って問題のある表現と思う。議論が分かれる文章で建築士の資 格を左右するのは、如何なものだろうか。 また、道路斜線には他にも色々と緩和規定がある。法第56条2項の建物後退距離緩和等だ。この扱い はどうするのだろう?あの緩和はOKで、この緩和はNGってことが有るんだろうか? 令134条の緩和規定を学習して抵触した者と、そんな規定が有ることも知らずに単純に道路幅に 1.5 倍して高さを決めた者とに差が出るなんて。こんな状態のもので一発不合格では目も当てられない。 なんて不条理な試験だ。やはり、重大なポイントとするからには、もっとハッキリさせるべきだ。そう でなければ、一級建築士試験って運だけで決まる試験だよ!なんて言われかねない。 今までも採点のポイントは発表しても、細かな扱いは明かしてこなかった。そして受験者は標準解答例 ではこうしてたからOKだろう。など憶測を持って学習している状態だ。 前原大臣!政権も交代した事だし、もっとオープンにしましょうよ。透明化が民主党の方針でしょう! 平成22年の試験には、我々が迷わずに学習できるように明確化されることを期待しますよ。 しかし、現時点ではハッキリしてないので、試験元が発表したものと、合否の結果から推測して行くよ り仕方がないですね。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆第一回目は、少し頭に血が昇り気味でしたので、次回からは冷静にお送りします。  今は制度がどう有れ、あなた自身が合格する事ですよね。  今年の課題の発表は未だですが、建物を良く知る。興味を持って観る。  これがどんな課題でも重要ですよ。
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