~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H22.07.27記》
■ 平成21年度設計製図試験対策−4


◆設計製図試験課題発表! ┌─────────────────────────────┐ │ 平成22年一級建築士試験「設計製図の試験」の課題     │ │                             │ │ 小 都 市 に 建 つ 美 術 館                │ │                             │ │ 要求図書                        │   │ ●平面図兼配置図(縮尺1/200)             │ │ ●平面図(縮尺1/200)                 │ │ ●断面図(縮尺1/200)                 │ │ ●梁伏図(縮尺1/200)                 │ │ ●面積表                        │ │ ●計画の要点等                     │ └─────────────────────────────┘ 【なぜ美術館!】  受験者の皆さんは、課題が発表されて身が引き締まる思いではないでしょうか。 平成22年度の課題は、「美術館」です。昨年の事務所ビルから一転して、日常でそんなに身近な存在 でない課題となりました。身近でないということは、誰もが設計の経験もなく、スタートラインに横一 線に立った状態では無いだろうか。  昨年の課題を振り返ると、事務所ビルは身近な存在で誰もがイメージしやすかったと思う。プランも 型どおりの回答で、プランでの優劣が付きにくい課題だった。そんな中で合格と不合格を決めたのは、 単純に要求事項を書き込んだか否かによった。出題者の要求を漏らすことなく書き込んだものは合格。 欠けていたものは減点で不合格。プランに差がない以上仕方がない判断だと思う。 しかし、それで決まるのも何だかなぁ〜?って気持ちが正直なところだった。旧制度はパズル式で良く ない!と批判があり、それで改善された制度がこれか〜ぁ!・・・なんだか設計の本質が霞んだような そんな気分で、悶々と過ごした日々でした。 ところが、23日の課題発表を見てシャキッとした。「美術館」、勿論と言うか、残念ながらと言うか 美術館そのものはこれまで手がけたことは無い。しかし、美術館の持つ機能や性格は学習に値するし、 設計の内容次第で評価が出やすい課題だから、設計魂をくすぐったのだ。こりゃぁ、やりがいのある課 題だ! 【まず、美術館へ行こう!】  どの課題でもそうだが、課題の建築物の概念を知らないで設計は出来ない。今後、資格学校等で関係 資料をいっぱい貰うだろうが、資料と言うパーツから掴もうとしても駄目! いくら部品をたくさん寄せ集めても、全体を知るには無理がある。相手は建築なのだから、空間として の概念を持つことが重要だ!そのためには、まず、美術館に行こう! 本当は、課題が美術館だから美術館に行こうでなく、建築を志す人には美術館や博物館には、普段から 馴染んでいて貰いたいと言うのが本音だ。まして、なじみが少ない人は是非出かけよう、美術館に。 馴染みがある人も行こう美術館へ!今年の課題として美術館を見直してみよう!何かを掴んで帰ってき て欲しい。 【要求図書】  要求図面を見たところ、昨年ほど細かな記述は無いが、昨年の方式を踏襲した内容となっている。 上記のH22年度の課題と下記のH21年度の課題を見比べてみよう。 ┌────────────────────────────────────┐ │     平成21年一級建築士試験「設計製図の試験」の課題        │ │                                    │ │                                    │ │ 貸 事 務 所 ビ ル                        │ │(1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸スペースを計画する。)│ │                                    │ │ 要求図書                               │ │  ●1階平面図兼配置図(縮尺1/200)                 │ │  ●基準階平面図(縮尺1/200)                    │ │  ●断面図(縮尺1/200)                       │ │  ●基準階梁伏図(縮尺1/200)                    │ │  ●面積表                              │ │  ●計画の要点等                           │ │                                    │ │  (注)要求図面に新たに図示させるもの                 │ │  ・耐力壁等の位置、柱・梁等の断面寸法                │ │  ・設備機器等の位置、設備シャフト等の位置              │ └────────────────────────────────────┘  昨年は新試験制度の初回であったため色々と情報を流したようだけど、今年はあっさりしたものだ。 一度やったから、もう言わなくても分かるだろうって感じだな。しばらくはこのスタイルが定着するだ ろうから、書き方については昨年の標準解答例を参考にすればいいだろう。 「小都市」と言う条件は、敷地や周辺環境に表れてくるだろう。周辺環境は、建物を計画する上でまず 最初に意識しなければならないチェックポイントだ。どんな条件になるのかが楽しみだ。昨年みたいな 曖昧な集団規定だけは勘弁だけど。  平面図が2面と言うことは、素直に2階建てと解釈できそうだ。単体機能の建物で2階建ては、新試 験では受験者の過度の負担を減らすという方針に沿ったものといえよう。尚更、美術館特有の動線処理、 ゾーニングが明快な回答としたいものだ。  梁伏図は、昨年と違って、平面プランが影響しそうなので機械的には進まないかも知れない。吹抜や 二層に渡るの室等も想定される。梁伏せ図の基本をもう一度学習しよう。  設備に関しては特別には記述されていないが、昨年並みに作図で要求されよう。空調ダクトと天井懐 や梁寸法の関係など、断面図は総合的に検討しなければならないと思う。 いずれにしても、要求されたことから外れず、要求された事項は確実に図面や要点に反映させる ことは、課題が代わっても最も重要なことなのは間違いない。
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