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◆◇◆ ☆建築雑知識 021号
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■■■■■ Engineer & Architect group 建築企画
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◆住宅性能表示の評価基準(4)維持管理−その3◆
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維持管理に関する評価は設備管の位置や状態に関することで、いかに点検、清掃、補
修がしやすい構造であるかで決まることをお伝えしました。
今週は点検、清掃についてお伝えします。
◇【排水管の点検、清掃】
設備管の中で最も傷みやすい部分が、排水の横引き管です。
横引き管のポイント
1.勾配・・・横引き管は勾配が重要で、緩い勾配だと汚物が流れにくく、急勾配だと
水だけが先に流れてしまい固形物が取り残されてしまいます。
2.長さ・・・勾配の次に重要なことは、横引きの長さです。余り長いと勾配が適正で
も管の中に汚物が取り残されてしまいます。
横引き管の長さは2m〜2.5m迄で、それを越えるようでしたらもう
1本縦管縦管を増やす必要があります。
3.曲り・・・コストを削減するために竪管本数を少なくすると、曲がり箇所が多い無
理な接続になってしまいます。曲がり箇所が多いことも流れを悪くする
要因です。
性能を無視したコスト削減は、結局のところ利用者である発注者にしわ寄せが来ます。
コスト削減は仕様削減でなしに、競争入札などの価格削減で達成したいですね。
とにかく、横引き管は縦管に比べると流れにくく、水に浸っている時間が長くそれだけ
傷みやすい状態にあります。
排水管をいかに流れやすい状態にしておく事が、長持ちの秘訣です。そのためには、設
計や施工上の問題の他に、日頃の使用上の注意が必要です。
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◆<臭い!この臭気はどこから?>
何処からとなく異臭が漂うことがありませんでしたか?
この場合、排水管の封水が無くなり臭いが逆流しているケースが多くあります。
排水管は汚物の通り道で下水管や浄化槽と結ばれていますが、普段は臭いを感じません。
それは排水管に臭いを通さない工夫がしてあるからです。
分かり易いのが洗面所ですね。洗面所の排水管は真っ直ぐ下に伸びて無く、途中で曲が
っていますね。これが、臭気防止の仕組みです。
管をSの字やUの字に曲げることで、曲がった部分に絶えず水が溜まるようになってい
ます。この曲がった部分をトラップと言い、溜まった水を封水と言います。
この封水が臭いや虫を通さないようにしているのです。
ところが、長い間清掃をしないで髪の毛などが溜まると、毛細管現象で髪の毛を伝って
封水が流れ出すことが有ります。封水が無くなると、下水管や浄化槽と通々になってし
まい、家の中にどんどん臭気が入ってきます。
そのほかに長期間家を留守にすると、この封水が蒸発して無くなってしまい異臭がする
ことがあります。この場合は水を流してやるだけで臭いは収まります。
普段の生活で流れが悪くなったなと感じたら、トラップの下の部分に封水の抽出口があ
りますから、バケツで受けて溜まったものを取り除いて下さい。
これは専門家に頼らず、誰にでも出来る簡単なことです。
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◆<排水管の関所:トラップ>
トラップは封水を溜めている部分ですが、トラップにはSの字が横になったものや、P
の字や横になったようなものがあり、それぞれその形からS字トラップ、P字トラップ
と呼ばれています。
そのほかに管の先にお椀を伏せたような形の椀(ワン)トラップと言うものも有ります。
S字トラップやP字トラップが管の途中に有るのに対して、ワントラップは排水口に付
けられています。
浴室の排水口の目皿を外すと、排水管の上に丁度お椀を伏せたような鋳鉄製の蓋が有り
ます。これがワントラップです。
排水管にものが流れ込まないように、また臭いが逆流しないように取り締まる関所みた
いなのがトラップですね。
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◆<洗濯パン>
洗濯パンは洗濯機を受けているものが、これは共同住宅などで万が一洗濯機から水が溢
れたとき、階下に漏水するのを防ぐ防水パンとして普及しました。
今では戸建て住宅でも洗濯パンが普及しましたが、以前の建物で洗濯機のホースを床の
排水管に差し込むだけの住宅がほとんどでした。もし、現在洗濯パンが設置されていな
かったら、是非洗濯パンを設置されることをお奨めします。
防水パンにはトラップが付いてますので臭気や虫の進入を防ぎますし、何よりも管に詰
まりやすいものを流し込まないで済みます。
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★用語の説明コーナー★・・・お休み
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12/16に「読者獲得大作戦!あの手この手+裏の手」第033号で、このコーナーが
取り上げられました。 http://groups.msn.com/magunion/magbn001050.msnw
言葉だけでなく、図で説明しているところが良いと評価して頂いてます。
今後とも評価に恥じないように、皆様が理解しやすいように心がけます。
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★編集あとがき★
今年も一年が過ぎようとしています。毎週ぶっつけ本番でお送りして、誤字や当
て字でお見苦しいマガジンになった事をお詫びします。
来年はもう少し余裕を持って発行したいと考えています。来年も宜しくお願いします。
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『建築雑知識』は建築技術者と建築家のグループ
「Engineer&Architect group建築企画」
が「建築を愛する皆様」へお送りします。
編集発行:E&A建築企画 事務局
E-mail:jim@kentiku-kikaku.com
http://www.kentiku-kikaku.com/
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